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写真の撮影において、被写体の配置場所や風景の切り取り方の構図は重要です。
特に広く普及してるコンパクトデジカメでは構図以外のボケや明るさといった部分の調整が
できなかったり、しにくかったりします。
そうした状態において写真の構図が作品の出来不出来を決める大きな要因になります。
一口に写真構図といっても、実にさまざまな手法があります。
図形形(三角など) 文字形(I字 S字など)など、さまざまです。
ここでは、そうした中で理解しやすく、応用の幅が広い三分割写真構図の基本的なことを書いてみます。
*ここではコンパクトデジカメに多い4:3比率の画像で説明しています。
3:2の比率が多い一眼レフデジカメでも基本は一緒です。
写真構図の中でも最も一般的で基本とされるものに、フレームを3分割で切るものがあります。
それを表したのが下の図です。
カメラによっては、この三分割線をファインダーや液晶に表示できるので、有効に使いましょう。

一般的な考え方は、主要な被写体を線の交点に配置する手法です。
それと線の上に主要な被写体を配置。
あるいは画面上の区切り位置として線を利用する方法が一般的です。
美術デザインの世界では、画像を美しく見せるための縦横比というものがあり、
その理想的な比率を「黄金率」と呼びます。
美の法則とも言えるこの比率を写真構図に使わない手はありません。
この比率は、「1:1.618・・・・」という比を持ちます。
通常は「1:1.6」覚えておけば問題ないでしょう。
この比率は「10:16」=「5:8」 やや乱暴ですが「3:5」としてとらえられ
さらに乱暴ですが、「2:3」としてもとらえられます。
「8:5:3:2」という比率として覚えておくと便利です。
さらに、その比率は「8:3」「8:2」と飛び越えた比率でも使える事を加筆しておきます。
黄金率比率の長方形(100px X 161px)→
もしこの長方形を美しいと感じないのなら、
あなたのセンスは人間として少しだけ独創的なんだと思ってください。(笑)
参考までに一眼レフに多い3:2の画面比率にかなり近いですよね。
こんな理由も画面の縦横比には隠されています。
下の図は、4:3画面の長辺の長さに対して
上の線が 黄金比(1.61:1)
下の線が 3分割(2:1)に分けたものです。

上の図から、黄金比と三分割の差が少ないこと、
黄金比のポイントは三分割より僅かに内側だということをご理解していただければと思います。
この為に、三分割フレームが黄金率の近似値を表すモノとして、
写真構図に当てはめるのは有効な事だと理解して頂けると思います。
黄金率利用におけるポイントを簡潔に表現するとすると。
「比率 8:5:3:2 と 角度60度(30度)」
三分割構図流に言うなら 比率は3:2が重要
これだけ頭に入っていればOKです。
覚えにくいという人は
8:5 5:3 3:2 それぞれ 半分(5:5)より少しどちらかに寄るという事でも良いでしょう。
勘違いしないで欲しいのは、
黄金率(三分割フレーム)に当てはめることが美しい写真の絶対条件ではなく、
あくまでも「安定した構図を得られやすいモノ」程度に考えていたほうが良いです。
感動というのは、こういうセオリーを外したところに多く潜んでいます。
でも、写真構図で迷ったら、この黄金率(三分割フレーム)に戻ってみると良いでしょう。

よく使われる基本的な写真構図であり、解説本やカメラのマニュアルに記載されてることもあります。
どこでもかまいませんが、主題の中心を線の交点に配置する方法です。
三分割というと、画面の縦や幅に対する三分割のように感じますが、
その交点は、対角線に対してもも3分割となり、もっとも安定しやすい場所になります。
実際には交点よりもわずかに内側に入った部分が良いと思います。

上の写真は主題が真ん中にあります。
記録や説明の写真構図としてはこれで良いのですが、、
作品写真の構図としては、「日の丸構図」と言われて敬遠されています。
でも、決してダメな構図ではなく、ある意味もっとも主題がはっきりして、
安定してる構図とも言えます。

上の写真は主題が交点上配置されています。・・・でも何か変ですよね。
主題に向きがある場合、向いてる方向を広くしないと窮屈な感じがします。
人物など向きのある被写体を撮影する時に特に注意すべき点です。

上の写真は、主題の向いてる方向を広くとれる交点上に配置しました。
なかなかいい感じになってきました。
ここで気になるのは、主題と背景の面積の差ですね。
背景が広すぎるように思います。
上の写真では、主題を交点上に配置しながら、
主題のサイズも左下の4つのマスを埋めるようにしてみました。
主題が強調されて良い感じになっていると思います。
これは、単に黄金率の点に中心があるだけでなく、
画面の中で主題のサイズが画面の縦横に対してそれぞれ2/3になっています。
主題となる被写体の大きさが画面全体の中での黄金率にマッチしてきています。
交点配置の場合、主題となる被写体にばかり注意がいってしまいがちですが、
背景にも何か意味を持たせるように心がけましょう。
上の図は 主な被写体を緑色とした場合の画面への配置を表しています。
区切りの縦横、位置はどこでもかまいませんが基本的には緑色の部分が主な被写体になります。
上の写真はインパクトの強い水面と山や空の境目を真ん中で区切ってます。
ありがちな写真ですが、画面の真ん中で被写体を切るのは
写真としての安定感が損なわれ嫌る事が多いです。
(ダメだということではない)

上の場合、水面と山や空を下の線で区切ってます。
この場合は主題が山や空に見えます。

上の写真は水面と山や空を水平線を上の線で区切ってます。
この場合は主題が海(湖)に見えます。
このように通常は面積の大きい側が主題となります。

上の写真の場合、街が主題であるとはっきりわかりますね。

夕日の写真です。
太陽を右上の交点に配置して、
左側の樹木を左のラインまでで切ってます。
人物とか動物のアップの場合目の付近を交点付近に配置すると
良好な結果が得られます。

人の立ち位置を右の線にして、
顔を右上の交点に配置しました。
偶然ですが、近いほうの目がピッタリ交点にあります。

手前の湖面と実像の境目を上の線で区切ってます。
さらに湖面の一番奥付近が左上の交点付近に配置しています。
上の実像のインパクトも強いですが、主題はそれを写しこむ湖面です。

ここでの中心はやはり、グリーンのクロス付のテーブルです。
空間を視点が動くように導いてるとも言えますね。
視点が時計まわりに回りませんか?

よくある観光地での記念写真ですが、
人物を左下の交点付近、銀閣寺を右上の交点付近に配置しました。
こういう交点の使い方をする撮影は多いのでは?

説明するまでもなく、中心は蝶です。
交点からはずれてますが、左のライン上にしっかり乗ってます。

これは、交点にポイントを配置するというより、
右側の線の上に長い被写体を乗せたような感じです。
偶然だったのですが、屋根のポイントが右上の交点にあります。
交点配置だけでなく、ライン上に配置というだけでも安定します。

長いモノではないですが。やはり右のライン上に乗せています。
ティカップで右下の4つの四角を埋めた配置とも言えます。
主要な被写体と、脇役がはっきりわかります。

人物の軸を左のライン上に乗せた構図です。
被写体に向きがある場合は向いてるほうを広くというは定番です。
気付いた方もいるとは思いますが・・・。
実際には、厳密に交点や線上に配置しなくても大丈夫です。
厳密には黄金比の最適ポイントも三分割の交点より少し内側にずれています。
また撮影の時に三分割をイメージするのは面倒なもの。
そんな時に、主題を中心から少し外すという事を心がけるだけで、
三分割にマッチしやすくなります。
また複数の交点や線を複合的に利用するというのもポイントです。
私の経験上では、被写体を面として捕らえて、三分割によって作られ四角形の面を
埋めるように配置すると安定するように思います。
この手法を意識すると、主題となる被写体のサイズが黄金比にマッチする為に、
主題がはっきりし、尚且つ安定した構図になりやすいです。
特に主題は画面全体の各長さ(辺・対角線)に対し
2/3の比率サイズにすると安定しやすくなります。


面積では主題の花が狭いのですが、
縦横のサイズがフレーム縦横の2/3くらいになりバランスを取ってます。


空のグラデーションを表現したかったものです。
下の道路のシルエットは、空の対比として配置しました。
もちろん面積が大きな空が主題です。


わかりにくいですが、メインの桜の花を左側に配置。
左側1/3は桜を立体的に見せる為のボケ空間という使い方です。


これも主題は夕日と空であり、
それを強調するために左側1/3に木のシルエットを配置してます。


もちろん主役は子供ですね。
目の高さが上のライン上にあるのもポイントですね。
ほとんどの場合、主題になる部分の面積を大きくします。
ただし、周囲に対して強力なインパクトを与える被写体は、
面積が小さくてもそちらが主題として成り立ちます。
*例:風景の中の人物等

被写体が長体である場合にその画面上での長さを分割線の交点間の長さにします。
もちろん斜めの長さの基準にしても問題ありません。
いろいろな見方ができますが、人の長さが画面の線分2本分。
人間にとって重要な顔が右上の交点上にあり、人物が右の線分上に存在します。
また水面が下の線分できれています。
人間の向いている方向の空間が広いのも安定材料です。
実は美術の黄金比やカメラのフレーム3分割でも言える事ですが、要所を1箇所だけ
当てはめると不思議とその他の部分も黄金比やフレーム3分割線上にポイント生じやすくなります。
黄金率で分割したモノをさらに黄金率で分割しても法則が当てはまると言うことです。

上の図は三分割フレームをさらに三分割した線を書いています。
写真を実際に撮る時に、このさらに細分した線及びその交点に写真のポイントを
配置するのも有効です。
真ん中を抜いてあるのは、私の経験上で真ん中での細分はあまり意味がないと
感じてるからです。
この細分した三分割フレームを写真構図に当てはめるようにすると、
さらに三分割フレームを利用した写真構図の幅が広がります。
経験上、画面いっぱいに被写体を写しこむアップアップの構図で被写体を切る位置や
風景写真での空と風景の区切りに迷った時などに細分線を基準にすることが多いです。
また三分割フレームは写真(カメラ)を傾けたり、被写体を斜めに配置する時の角度の参考にもなります。

四角形を二つないし三つ重ねた対角線の角度をお勧めします。
フレームの縦横の比率で角度は変わりますが、それぞれのフレームの縦横比の中での
黄金率(8:5:3)の角度になるので目安にすることは間違っていません。
フレームの縦横比を無視するなら、
30度及び30度〜35度くらい。あるいは60度付近が黄金比の比率に適ってる筈です。
*黄金率を使って90度を3とした時、3:1(30度付近)あるいは8:2(60度付近)になります。
一眼レフに多い3:2画面の場合、そのまま対角線の角度が黄金比に適した角度になります。
(フレームに対する対角線の角度、構図というのは諸刃の剣で、難しい面があります)
アナログ時計のカタログを見ると時計の針が10時とか10時10分を指してるものが多いですよね。
あれは、時計の針が美しく見える角度なのです。

10時 あるいは 10分というのはアナログ時計で見ると
90度を3分割したうちの9時、3時の水平を基準にした場合1/3に相当します。
垂直である12時を基準にした場合2/3に相当します。
そして針で囲われた面積が円全体の面積の2/3(1/3)になります。
・・・ほら三分割フレームと一緒ですよね。


右側の図は11時方向を指してますが、これは2時の方向から90度傾けたものです。
9時−3時を基準にした場合、11時が60度2時が30度になります。
傾き(斜線)を構図に取り入れる場合、2時(10時)11時(1時)の角度を意識してみて下さい。
実際の撮影の時に角度を正確に測るのは困難ですから、三分割フレームの対角の角度を参考にするか
45度より少し浅く、あるいは深くと意識する程度が実用的です。
傾きの角度が80度以上(10度未満)になると、意図を持て傾けたのか、カメラマンのミスで傾いたのか
はっきりしなくなります。
水平→
45度→
30度→
傾けるなら30度(60度)が良いと思いませんか?
下は、カメラではなく被写体を斜めに配置した例です。

物・オブジェ・お料理などを撮影するときに、水平垂直に配置するより、
このように角度をつけると写真構図を決めやすくなります。
また立体感が強調されてきます。
また、ブツ撮りに限らず、、
構図の中に斜めの構図を取り入れると、立体感や奥行きの表現が容易になります。

これは、これで悪くないけど・・・。

奥行きが強調されたと思いませんか?
斜め構図はの場合、右上がりが自然だと言われてしますが、
その考えでいけば、右下がりは安定感はないかもしれないけど、インパクトが強くなります。
三分割とは別の話になりますが、
風景を撮影する時は、風景の空間を感じさせる対象物を一緒に写し込むと良い結果が出ることが多いです。

左の写真でも広い空間の様子が感じられて良い感じですが、
右のように目線を落として手前の花を大きめに写すとよりダイナミックな広さというか奥行きがでてきます。

これもほぼ同じ場所を撮影した写真ですが、木道が入った右の写真のほうが空間を感じませんか?

上の例の場合は、風景の手前に強烈に個性的なもの(アザミ)を配置しました。
左の写真も好きですが、右の写真は空間の奥行きがでてると思いませんか?
ほぼ同じ画角ですが、写真の主題が全く違ったモノにみえてきます。

こちらは、同じ被写体(建物)を角度を変えて撮影してみました。
記録や記念写真としては左でも良いですが、少し平面的ですよね。
右は被写体の全体像はわかりませんが、奥行きと建物の雰囲気がでています。
同じ被写体でもちょっと歩ってみるといろいろな切り取り方ができます。
光りがあったら陰、広い風景だったら、あえて手前のものと、
対比できるモノ写し込むとより印象が強調されます。
写真構図を上達したいと思うなら、たくさんの写真作品を見てください。
そして自分が感動した写真の構図を真似してみるというのが大切だと思います。
そして、デジカメ時代になって便利になった方法があります。
デジカメで撮影した写真は、カメラの中やパソコンで画像を見ながらトリミング(切り抜き)が簡単にできます。
自分で撮影した画像からさらに構図を考えながらトリミングしてみることで、構図力がアップすると思います。
また構図の勉強用に、少し広い範囲を押さえ(撮影して)おくこともお勧めします。

上の写真は 3:2の画面比率のカメラで撮影したものですが、
この画像から4:3の画像をトリミングして取り出してみました。

これが正しい構図というわけではありません。
無限の切り取り方が存在します。
このように自分の撮影した写真から構図を考えながら切り取ってみる方法は、
自分の作品をより高めるという事でやる気もでるでしょうし、
そして、楽しんでトリミングをしているうちに確実に構図力がアップします。
「自分の撮影した写真から構図を考えてトリミングする。」
是非やってみてください。
写真は切り取りの芸術と言われています。
自分で撮影した写真から更に無駄を取り除き、構図を整えながら切り抜く手法はかなり有効です。
きっとこれを続ける内に、切り取ったり構図の変更をする事が少なくなっていくと思います。
・・・知らず知らずに撮影の時から無駄のない構図で撮影するようになってる事でしょう。
トリミング等の加工へ対して嫌悪感を持つ人も少なくはいようですが、
次項目に書いてあるように、写真を紙(プリント)に残そうと思えば、カメラがとらえる画面とプリントする紙の
比率の違いによりトリミングは必須になる場合が多いです。
デジカメの4:3の画像をL版でプリントしたら、上下が切れてしまったなんてことありませんか?
写真を実際にプリントする場合は、L版・六つ切り、四つ切等、写真の印画紙の縦横比率が
カメラのフレーム比率とは異なる事が少なくないので
、最終的にプリントする場合は注意が必要です。
プリントするならプリント用紙に合わせた構図を構成する必要があります。
画面比率 4 : 3 ≒ 1.33 : 1(コンパクトデジカメに多い) 3 : 2 = 1.5 : 1(一眼レフデジカメに多い)
主な写真プリント用紙のサイズ及び縦横比率| DSC | L | 2L | 六切り | 四切り | W六切り | W四切り |
| 89X119mm | 89X127mm | 127X180mm | 203X254mm | 254X305mm | 203X305mm | 254X368mm |
| 1 : 1.33 | 1 : 1.42 | 1 : 1.41 | 1 : 1.25 | 1 : 1.20 | 1 : 1.50 | 1 : 1.44 |
横の比率が自分のカメラの比率より大きくなれば上下がカットされます。
横の比率が自分のカメラより小さくなれば左右がカットされます。
例えばコンパクトデジカメに多い4:3画面なら、Lでは上下がカットされてしまいますが、
DSCサイズなら撮影した画面に近いプリント結果が得られます。
逆に六切りにすると左右がカットされます。
最終的な出力を考えておかないと、せっかくの写真構図が台無しになることがあります。
・このページへの直リンクURL http://copains.idns.jp/mini/ph_kouzu1.html
(無断直リンク可能です。 そのかわり無断転載、複製は禁止です。)
・ここで使用した画像の著作権は全て当サイトで管理しています。
職業カメラマン(芸術ではなく 商業写真)であり、趣味としても写真撮影しています。
通常は一眼レフカメラを愛用してますが、コンパクトデジカメも大好き。
下手が扱う一眼より、上手な人が扱うコンパクトデジカメのほうが、よっぽどいい絵が撮れると思ってます。
一眼では真似するのが困難な写真をコンデジでは簡単に撮れるなんてこともあります。
「光の状態が整えば携帯のカメラでも素敵な写真が撮れる」と僕はよく言ってます。
事実、仕事でライトとかセッティングした環境では、携帯電話のカメラでもきれいな写真が撮れます。
カメラの種類に関わらず構図への配慮は大切ですね。
ここに書いてあることが全てではありませんが、基本だと思っています。
一眼レフカメラは、その柔軟なハードをよく理解して応用できれば素晴らしい写真を撮れます。
コンパクトデジカメもハードへの理解と応用で素晴らしい写真を撮れます。
ただ応用(表現)の幅が一眼レフカメラより狭いだけで、部分によっては一眼レフより勝るところがあります。
実際、コンパクトデジカメで撮影した写真が商業写真として通用してる現状があります。
(プロは高級なボディと高級なレンズを使ってるなんて誤解です。 むしろボディなんか消耗品扱いです。)
一眼レフ・コンパクトデジカメ共通のテクニックであり、写真の出来を大きく左右する写真構図に
関して、ここに記載したことが皆様に役立てていただけたなら幸いです。
瑞木